ドイツ街道物語。
ミュンヘンを出発し、南東へ、南東へ。
少しずつ高度を上げ、だんだんと遠くにあったアルプスに近づいていく。
バイエルン南部は、湖が多い。
スターンベルガー湖(Starnberger See)の湖畔では、青空に恵まれたとあって、散歩を楽しむ人たち、ジョギングに勤しむ人たちが見受けられた。
そしてロマンチック街道の最終部へと合流する。
サイクリングパスは、森のマークがついているとたまにとんでもないところを通る。
ロココ様式の白がまぶしい、ヴィース教会。
観光客が多いと聞いていたが、冬だからか静かだった。
街道の終点、フュッセン*1へ。
よほど日本人観光客が多いのか、ロマンチック街道の看板は独/日の二ヶ国語表記。
ドイツの町として最も標高の高い833mに位置するこの町は、フォーゲン湖に面し、夏は避暑地として賑わうらしい。
そして一番の目玉が、近郊にあるディズニーの城のモデルとしても有名なノイシュバンシュタイン城である。
到着したのが遅かったため、もうひとつのホーフェンシュワンガウ城は見れなかった。
こちらはルートヴィヒ二世がワーグナーと面会し、演奏に耳を傾け、夢を語りあった場所である。
ワーグナーに捧げたかったノイシュバンシュタイン城のほうは、残念ながら彼の目に触れることのないまま、ルートヴィヒ二世がおよそ半年を過ごしただけで幕を閉じてしまったという。
フュッセンからは、ドイツアルプス街道。
ざんねんながら曇り空で、アルプスの勇姿は拝めないかと思っていたら、昼過ぎからみるみる雲が散り始め、一面の青空に。
青空に、白い山々。まさに待ち焦がれていた景色が、目の前に現れた。
気分は上向きだが、道路はスイス、ドイツ、オーストリアの三ヶ国に跨る湖、ボーデン湖畔へと下り始める。
オーストリアへと国境を跨ぎ、標高400m、ここがボーデン湖畔、ブレゲンツ。
今日一日だけの、オーストリア。
少し湖畔を散策してから、出発することにした。