ヨーロッパ、冬。

さよならユーラシア。

ガール水道橋、ニームの円形闘技場と、古代ローマの遺構が多く残る、フランス南部。 ここは地中海世界。街には、対岸のアフリカからの移民も多い。 植民地時代を経て、もう一度古代のように地中海を挟んで交易、交流が盛んになってきているのだ。ローヌ川の…

古代文明の息吹。

アルプス山脈に別れを次げ、ローヌ川の下流地帯へ下る。 アルベールビル、グレノーブル。冬季五輪の開催地を通るごとに、気温が上がっていく。 アルベールビルで、もう雪はなかった。 スタンダールの出生地、グレノーブルは、小春日和のようにも感じた。 ロ…

アルプスを楽しむ。

シャモニーの町から見える、モンブラン。 そのモンブランを間近に望む展望台、エギーユ・デュ・ミディまで、町からロープウェイが出ている。 3842mまで、2台のロープウェイを乗り継ぎ、わずか20分。 モンブランに挑む人、ロッククライミングする人、…

アルプス越え・その2。

コモ湖畔から、マジョーレ湖畔へ。 アルプスの湖を船で渡り、そこからスイス国境、そして2005mのシンプロン峠を目指す。 湖畔は標高200m弱で暖かく、野宿しても氷点下にならず、飲み水が凍ることはなかった。 アルプスの峰々が迫りきったところまで渓谷…

アルプス越え・その1。

小さな国、リヒテンシュタインから、ライン川を挟んで、スイスへ。 ここには、国境らしいものは何もない。 橋の半ばに、向かいの町の紋章があるくらい。 ライン川に沿って走り、グラウビュンデン州の州都、クールへ。 山に囲まれた町から、アルプス越えは始…

ミニ国家。

アルプスへと、分け入って走る。みるみるうちに遠くにあった山々が近づいてくる。ギザギザとした、稜線。人を拒むかのような、岩肌。 しかしそれは見ている限りにおいて、感動すら呼び覚ます美しさである。 オーストリアから、ひさしぶりのパスポートチェッ…

ドイツ街道物語。

ミュンヘンを出発し、南東へ、南東へ。 少しずつ高度を上げ、だんだんと遠くにあったアルプスに近づいていく。 バイエルン南部は、湖が多い。 スターンベルガー湖(Starnberger See)の湖畔では、青空に恵まれたとあって、散歩を楽しむ人たち、ジョギングに…

久しぶりの「文化」。

レーゲンスブルグからミュンヘン近くまでは、ドイツホップ街道を。 そして30キロほど手前からは、ミュンヘンの中心まで遡れる川沿いのサイクリングパスでらくらくアクセス。 ミュンヘンは、ドイツ第三の大きな都市。 130万人が住むこの町は、僕にとって…

ドナウ川を渡る。

プラハからは、連日目的地を定めながらの移動。 テントが壊れてしまったため、宿を確保しながら進まないといけないのだ。 自由に就寝場所を決められないのは、それはそれで大変だと思った。 そして、4日間の移動で、安息の場所があった。 ドナウ河畔、レー…

新年。

クリスマスをお世話になった、レンカ宅。 チェコのクリスマスでは、鯉を食べる。 クリスマスイブの一日、肉を食べなければ、夜には金色の豚が見えるらしい。クリスマスツリーの飾りつけ。 藁でつくった天使や、型抜きのクッキーでかざりつけ。 目に優しいク…

アウシュビッツ/ビルケナウ。

ショートトリップ第三弾。ポーランドのアウシュビッツ(ポーランド語;オシュウェチム)へは、一人へ夜行へ乗り込んだ。といっても駅まで車で送ってもらったり、切符を買うのを手伝ってもらったりといろいろしてもらった。距離的には、東京から名古屋くらい…

ブルノ、ウィーン。

チェコ第二の都市、ブルノ。ブルノ出身の友人の友人に案内してもらえるというので、バスでぴょいっと行ってきた。 そしてその友人宅にお世話になる。 母子ともにオリエンタル・ファンらしく、手料理を振舞ってくれた。 感謝感謝。お目当ては、ミース・ファン…

プラハ散策。

昨年アイスランドで会ったチェコ人の友人宅に10日間近くお世話になった。そしてプラハをはじめ、ブルノ、ウィーン、アウシュビッツへと足をのばした。 そしてさっそく、プラハの街案内をしてくれた。 クリスマス前の、プラハの夜の町並み。 そしてなにより…

国境。

ハンガリー入国以降、国境に、誰もいない。 人の自由移動に関する取り決めのシェンゲン協定によって、国境の入管は廃止され、ただその跡だけが残る。 いままでは国境で出国/入国スタンプともらってようやく国境を越えた気分になっていたのだが、ここではた…

通貨切り替え直前。

新年から、ユーロ導入が決まっているスロバキア。 各国通貨が続落する中で、この国の通貨だけは値上がりしている。 ユーロとの公定レートが定められ、欧州中央銀行の市場介入によってコルナ高が維持されるのだ。 公定レートはレシートにまで表示され、スーパ…

ワインの里。

単独峰は、なぜか美しいと感じてしまう。 たとえ、低い山であっても。 標高512mの、トカイ山。その裾野に、貴腐ワインの産地、トカイ地方は広がっている。ちなみに、ここは「畑」の世界遺産。 17世紀、オスマン帝国の侵略によって葡萄の収穫が遅れてし…

山の向こう。

モルドバから、ルーマニアへ。旧ソ連からEUの一員への国境を越えた。この冬初めての雪の降る日。気温は今にも氷点下にでもなるのではないかという中、国境の役人はホットチョコレートを僕に作ってくれた。 賄賂を受けることに熱心な旧ソ連の役人とは、まさに…

自称系国家。

ウクライナの平原はずっと、霧で。 モルドバへ入ると、萱葺き屋根の家がちらほらとある。幹線から外れると、ダートにコルゲーション。ヨーロッパにもこういうところがあるのだ。 そしてこのモルドバの一部は、未承認国家「沿ドニエストル共和国」の領土とな…

寒波はまだ?

イスタンブールから34時間の船旅で、黒海の北岸、オデッサである。 曇りがちの空は、寒い。 同乗のトルコ人が、思わず入管職員に尋ねていた。 「寒波はもう来た?」と。 まだ先らしいが、気温表示はたったの5度。 新疆からトルコまでずっといたイスラム圏をよ…