プラハ散策。

昨年アイスランドで会ったチェコ人の友人宅に10日間近くお世話になった。そしてプラハをはじめ、ブルノ、ウィーン、アウシュビッツへと足をのばした。
そしてさっそく、プラハの街案内をしてくれた。
クリスマス前の、プラハの夜の町並み。

そしてなによりおもしろかったのが、突然始まった旧市街時計台前枕合戦。
例年になく雪の到来が遅く、ホワイトクリスマスにならないことに不満があったらしく、インターネットにて呼びかけられたという。


合戦後には、時計台前の石畳は真っ白になっていた。

翌日には、「赤ちゃんキリストを救おう!」キャンペーンを行う人たちに遭遇。
議会までデモ行進後、議会前にて演説、署名を外務大臣に手渡す。

チェコにおいて、クリスマス*1にプレゼントを持ってきてくれるのは生まれたてのイエス・キリストであるのだが、その彼がいまや「アメリカからやってきた赤い醜いでぶっちょ野郎」(原文尊重)によって危機に瀕している!伝統を守り、キリストを救わなければ!
という意図によって集められた署名2万人。
事実、後のニュース番組での子供たちへのインタビューで、「プレゼントを持ってきてくれるのはサンタさん」と回答している子らも多く見うけられた。
伝統を守るために声を上げ、そしてそれがしっかりと議会の手に渡る。民主主義が
、しっかりと実行されていた。


そしてプラハ城の衛兵交代式も見れた。
普段は5分ほどで終わってしまうという式も、この日は20分ほどに及ぶ。
とても珍しかったらしい。


そしてその後も、プラハの隠れた名所を案内してもらった。

クリスマスの情景、ベツレム(ベツレヘム)。
キリスト誕生の様子がモチーフ。木や藁で作られたものが、目に優しい。

*1:そもそも、クリスマスというものは三層構造からなっている。キリスト教以前に各地で行われていた冬至の祭りがベースとしてあり、その上にキリスト誕生を祝う要素が付け加えられ、そして現代になって消費活動啓発のためのプレゼント商戦が覆いかぶさった。つまりクリスマスとは冬至という季節に根ざした伝統行事であり、一年を締めくくる大切な行事なのである。そのため帰省ラッシュはクリスマス前に起こり、家中の大掃除も行われる。日本の正月と非常によく似たところも見られるのである。一方現代日本にクリスマスが輸入されたとき、最上層の理由付けとしてキリスト誕生の意義が説明されたのみであり、伝統的な季節感に根ざした行事とは言えない。日本のクリスマスが軽薄に感じられるのは、その層の薄さゆえであろう。