2008-05-01から1ヶ月間の記事一覧

もはや夏どころではない、トルファン。

手元の温度計は、48.3℃を指していた。 直射日光の下で、自転車に乗りながらなので、もちろん確かな数字ではない。 だが、むせるように暑い。体に感じる風は、むわっと生暖かい。 谷を下り、ついた場所は、吐峪沟。ウイグル族が昔ながらの生活を営む場所であ…

新疆の中心へ。

ハミから310キロあまり。ウルムチまでは、街が続いている。 オアシスに、入った。 なにもない、トラック運転手のドライブインが数軒の村。夕陽が格段に美しかった。 翌日、強風が、荒れに荒れた。 つい食べてしまったカップラーメンがあたり、吐いた。街に辿…

荒野に佇む王国、ハミ

敦煌から400余キロ、ここは新疆の地。 1800メートルの峠を越え、90キロ、130キロの無補給区間を抜けた。 地図にあっても、実在しない町もいくつかあった。 するとそこは、ブドウ、瓜の畑の広がる緑豊かな地であった。ハミを通る国道312号は、シルクロードを…

敦煌、そして嘉峪関。

敦煌には、中国三大石窟のひとつ、莫高窟がある。 かつて沙州と呼ばれたことからもわかるように、街の周囲は荒野、そして砂漠である。 ここでは嘉峪関へ。 万里の長城の終点を見た。渓谷で終わるその地は、ただ風が吹き荒れる荒地であった。 敦煌には、かつ…

青蔵高原を越えて。

ほとんど情報がなく、チベットほどメジャーではない青蔵高原の青海省西北部。 その幕切れは、あっけなかった。 未開放地区*1。大柴旦は、そうだった。 デリンハもそうだったのだが、そこでは何の問題もなかった。 しかし、今回は宿が少なく、そしてどの宿も…

ツァイダム盆地より。

標識には、ラサの文字が見える。 何もない荒野。天候が荒れると、ひどいことになる。 風速30m/sはあろうかという、砂嵐。6時間で、40キロも進めなかった。 ぽつんと立つドライブインで休憩し、中国人と筆談を始める。 白酒をすすりながら読めない字を…

青海湖を越えて。

西寧から約100キロ。 かつて吐蕃(チベット)に嫁いだ唐の文成公主が、故郷を懐かしみ、振り返ったという日月峠。 ここが唐と吐蕃の境界だったのである。 標高は3500m弱。日亭、月亭の二つの建築が、道を挟んで建つ以外、草原が広がっている。 チベッ…

チベット寺院へ。

今日は休養日。西寧からバスで30分。チベット仏教ゲルグ派(黄帽派)の開祖、ツォンカパの生誕地、煌中にあるタール寺に行ってきた。 境内では、五体投地で礼拝するチベット人の姿も見られた。 また、モンゴル人もチベット仏教を信仰しており、きらびやか…

チベットの香り。青海省より。

蘭州から220キロ。標高2200mの州都、西寧。蘭州郊外で初めて黄河を渡り、この大河とも別れを告げる。 昨夜は、民和回族土族自治県に泊まった。宿は清真の文字。アラビア文字も併記される。 おじいちゃんは回族の白い帽子を被り、12歳という男の子…

春を追いかけて。蘭州

天水から3日間。甘粛省の州都へ。 2290mの峠を越え、ここは1550m。黄河沿いの盆地に、街が東西にのびて形成されている。 蘭州は、回族の人たちがとても多く、彼らの作る清真料理(ハラールを守って作られた料理)である牛肉面(通称蘭州ラーメン…