青海湖を越えて。

西寧から約100キロ。
かつて吐蕃(チベット)に嫁いだ唐の文成公主が、故郷を懐かしみ、振り返ったという日月峠。
ここが唐と吐蕃の境界だったのである。

標高は3500m弱。日亭、月亭の二つの建築が、道を挟んで建つ以外、草原が広がっている。


チベットのカラフルな布がはためいているが、そこに群がるのは、観光客目当ての漢人たち。チベット風装飾品を押し売りし、牛に乗った写真を撮って稼ごうとする。
ここは、チベット人遊牧民の土地なのに。



青海湖湖畔に泊まった日、朝起きると、山は白かった。標高3200mにある青海湖。中国最大にして、世界でも二番目に大きな塩湖である。

周囲には、羊、牛を放牧するチベット人、モンゴル人たちの姿。そしてパオ。
気温は3度台まで下がった。雨なのだが、雪ではないかとすら思えてくる。



そして、今回の中国の旅で最高地点ではないかと思われる、峠。

中国は誇大表記がまかり通る国なので、実際は3750mほど。そう英語の手元の地図には書いてある。
それでも、富士山と同じくらいの高さまで上った。



そこからは、ツァイダム盆地へと降りる緩やかな下り坂と、広くて青い空が待ち受けていた。

青海省 海西蔵蒙古族自治州 茶卡鎮 総走行距離 3004キロ