自称系国家。

ウクライナの平原はずっと、霧で。

モルドバへ入ると、萱葺き屋根の家がちらほらとある。幹線から外れると、ダートにコルゲーション。ヨーロッパにもこういうところがあるのだ。


そしてこのモルドバの一部は、未承認国家「沿ドニエストル共和国」の領土となっており、モルドバの主権は及んでいない。
グルジア南オセチア共和国アブハジア共和国と似たような状況であるが、後者の二つは最近ロシアとニカラグアから国家承認を受けたのに対し、沿ドニエストル共和国はまだどの国からも承認をうけていない。
内戦止まぬソマリアを除けば、どの国からも未承認なのはここひとつ。
北キプロスはトルコが承認、ナゴルノ=カラバフ共和国はアルメニアが承認。)


しかも国旗、国歌だけでなく、自国通貨まで作ってしまった。
沿ドニエストル=ルーブリ。


裏面にはソ連のマーク、鎌と星。

端的に言うと、モルドバが独立後ルーマニアよりの政策を採り、ルーマニアと併合するのではないかという危機感を抱いたロシア人、ウクライナ人マイノリティが反対して独立してしまった、という国。(モルドバ人はルーマニア人とほぼ同じ民族。ルーマニア語モルドバ語は方言程度の違いであるらしい。)
内戦にも発展し、現在もロシア軍、モルドバ軍、ウクライナ軍、沿ドニエストル軍が駐留している。
といっても現在は武力衝突は起こっていないようで、街もかつての傷跡も見当たらず一見平和であった。


さて、首都キシナウはこちらは独ソ戦、その後の地震で破壊されたため、ソ連的な都市計画の平坦な街。
ここをもって、旧ソ連圏を抜けることになる。



キシナウ・モルドヴァ(Kishinau, Moldova)

総走行距離 13890キロ