強風は、もうイヤだ。首都へ。〜4日目〜

世界最北の首都、レイキャビク

北緯64度8分。世界の国のなかでもっとも高緯度な首都は、アイスランド語で「煙の湾」を意味する。現在の人口は11万で、首都圏では18万。人口30万のアイスランドのおよそ3分の2近くが首都圏に住んでいることになる。
アイスランドは人口集中、都市化が顕著な動きになっており、都市人口率は98%近いという。確かに特別な理由のない限り、台風並みの風に吹きっ曝しの荒野に住もうという気はおこらないだろうと思ってしまった。


8時に起きるが、寒くてつい行動開始が遅くなってしまう。
朝食を作り、食べながら出発の準備をしていると、テントのポールを収納する袋をなくしていることに気づく。どうやら設営時に風で飛ばされたのに気づかなかったようだ。


相変わらず強風は北から吹き付けてくる。本日は東に進んだのち、北上だ。
R427はやがて未舗装路となり、強風とあいまって上り坂では漕ぐことすら不可能だった。途中であったドイツ人二人に「ステムを締め付けたいから工具を貸してくれ」みたいなことを言われ、「六角レンチ・・・ヘクサレンチがほしいのか?」とやりとり。
工具の名前みたいなあまり使われない語は外国語で言うのが難しい。(ちなみに英語で+ドライバーはphillips driver。)


風に流されそうになるのを必死にこらえながら、青々とした海を見下ろす溶岩台地をアップダウンで進む。ドイツ人曰く、今日の風の強さは「五段階中二」だという。信じられぬ。

R42に乗り換えたところで、少し舗装路になるが、またすぐ未舗装路。ちょっとした間歇泉やmud-pod(地面にあいた穴の中で沸騰した灰色の泥状のものがボコボコいってる)が道路脇にある地帯を抜け、火山の爆発によってできた青々としたKleifarvatnを横目に、もう一度半島の北側の海を望める峠までたどり着く。

ここからはReykjavíkらしき街も見える。
目的地が見えてくると、あとは気力でどうにでもなる。
途中ハンバーガーショップに寄って軽く食べる。店員と英語でうまく話せずに、いらないのに辛いフライドポテトがついてきたが。
次第に道路がバイパスになっていき、ICのようなものが連続する。車の速度が速いので、タイミングがはかりづらいが交通量はそれほど多くないのでなんとか行ける。夕方6時過ぎに、ようやくReykjavíkのキャンプサイトに到着。
たった62kmに8時間もかけてしまったコトが、大きくモチベーションに影響してくるのだ。
この日は疲れ果て、11時過ぎまで明るい空の下ながらもぐっすりと眠ってしまった。
                  62km,Grindavík〜Reykjavík