機材の揃え方

自転車ツーリングを本格的に始めようと思い立ち、機材を揃えようと自転車屋、アウトドアショップを歩き回る。大抵の人たち、学生であればなおさら、その値段に目を瞠り、財布の薄さを嘆くことであろう。

たしかに自転車ツーリングはコストがかかる。それも、ほとんどが初期投資だ。
傍目から見れば、交通費・宿泊費がかからないという点において貧乏旅行の骨頂であるような自転車旅。また、今流行りのエコであり、スローなはずの自転車旅であるが。


自転車本体ですら(日本における「中国製ママチャリ」のあまりにひどい廉価性、という問題があるにしろ)たいていの場合5万円は下らない。(GIANT ROCKシリーズのような優れた例外はあるが)それに灯火類、保守部品、工具を揃えてようやくいっぱしに走れるようになる。さらにキャリア、バック類。宿泊用にテント、シュラフ、マット・・・・
あまりに初期投資が嵩みすぎる。


だが、かかるものはしょうがない。昔”青春”していた知り合いが譲ってくれる、というのなら言うことはないが、一から揃える場合、どの機材に多く投資し、どこの機材への投資を抑えるかという抑揚を考えなければならないだろう。

安価な機材は、必然的にその耐久性を犠牲にしていると言っていいだろう。
「安くて良いもの」もあるだろうが、それを見極める眼力を備え、さらにそれを見つけることは困難である。

やはり自転車本体への投資は惜しめない。体の次に旅の資本となるからだ。しかしツーリングにはあまり高級なパーツは必要ないであろう。高級なパーツはレース仕様となっているために、価格と耐久性は必ずしも比例しない。
ある程度のグレード(ロードならティアグラ、MTBならデオーレ)で十分だと考える。
次にキャリア、サイドバッグ類だろうか。バッグの中にいくら高級な機材が入っていても、それらを運ぶための機材が弱くては仕方がない。

その他の機材への投資について必要な考え方は、「再入手可能性」と「代用可能性」である。

再入手可能性とは、ツーリング中に欠損した機材と同じものをすぐに入手できるかどうか。
代用可能性とは、欠損した機材と同じものが手に入らない場合にその代わりとなり、すぐに手に入る機材があるかどうか、ということである。

この二つの可能性が低いものには、積極的に投資すべきであって、二つの可能性が高いものには、あまり投資をしなくてもよい。


つまり、国内でのツーリングであればテントやシュラフなどはアウトドアグッズとしてどこでも手に入るので、特に金をかけなくとも問題とならない。
しかし、海外ツーリングでは必ずしもどこでも手に入るわけではない。したがって、耐久性に優れた機材が必要となってくるのだ。

もちろん、ツーリングにおけるその機材の重要性が最も鑑みられることは当然であり、さらに個人の好みによる機材の選択も大切にしてもらいたいが。