パミールから一転、首都の空気を味わう。

ほんの十年ちょっと前まで内戦が続いていた首都、ドゥシャンベ

だが今は、その過去を物語るものは、もう容易には見つけられない。

パミール地方ことゴルノバダフシャーン自治州の州都、ハローグから首都へと至る道は、まったくもって道路維持がなされていない。

パミール地方が内戦で反政府側についたため、予算がほとんどつかないのだそうだ。道中は、渡渉あり、地雷原ありの険しい道。3252mの峠もあり、麓からの2000m近くを、35キロで一気に上る。

そんな道を、中国の物資を満載したトラックが慎重に通ってゆく。
首都まであと100キロのところで、いきなり完璧な舗装路に。中国の建設チームが、中国の予算によって道路整備を行っているのだ。

このような光景は、オシュからサリ・タシュに至る道でも目撃した。
これも「西部大開発」の一環なのだろう。
だが、その場で働くある中国人に話を聞いたところ、彼は四川省出身だという。
新疆の少数民族(たとえばキルギス族や、タジク族)を雇えば、コミュニケーションの面で大いに利益はあると思うのだが、そこは漢族優先なのである。


中国製品の輸出のため、物流の活性化のため、他国の道路整備まで行ってしまう巨国、中国。もはや旧ソ連圏とはいえ、中国の影響力は多大になっている。そしてもはや安かろう悪かろうではない、中国製品。
(少なくとも、トイレットペーパーの品質は中国の方が格段に上だ。)

だが、おおよその現地人たちは、中国を嘲りの対象にし、現実を見ていない。今日も「CCCP」と背中に入ったTシャツを着ている。



さて、首都では豊かな食生活が待っている。
トルコ料理レバノン料理、グルジア料理などがそろい踏みだ。

写真:(左)タジク料理のクルトープ、(右)グルジア料理のハチャプリ

ドゥシャンベ・タジスタン(Dushanbe, tajikistan)
総走行距離 8468キロ