国境もダートで越える。

サン=アントニオ=デ=ロス=コブレスの町から、ほぼ真西に進む。
国境の高度は、4079m。
 
それほどアップダウンがないことを願ったが、4500mの峠がひとつ。そして、連日の向かい風。
   
この地では、常に太平洋からの西風が吹くのだ。

3日目に国境警備所に到着したのは、もう夜も10時を回っていた。
凍えそうな僕に、警備隊の人たちは何も言わず、部屋をあてがい、夕食を差し出してくれた。
険しい土地だからこそ、人のやさしさが沁み入る。
   

そして国境を越えてからが、本格的な登り。4500mの峠が2回立て続けである。
   
そしてその後も塩湖が続く高地を走行し、ようやくチリの最初の村・ソカイレが見えるのは、国境から120kmの地点。ここでようやく、400kmにわたったダートが一旦終わる。
   
そしてさらにその村からさらに、世界第二位の塩湖、アタカマ塩湖を左に眺めつつ走ること100kmで、サン=ペドロ=デ=アタカマ、チリ北部の観光の拠点である。
   


    

サン=ペドロ=デ=アタカマ・チリ(San Pedro de Atacama, Chile)
総走行距離685km