世界最大の銀山。
17世紀には、世界最大の都市のひとつだった、ポトシ。
銀山は、莫大な富をスペインにもたらした。
そしてポトシの街も、幾多の豪奢な教会で彩られた。
しかしその陰では、たくさんの奴隷が重労働を強いられ、捨て駒とされた。
そしてその姿は、独立してからも変わることはなく、1952年の国有化まで続いた。
国有化の際に生活レベルの向上を求めて立ち上がった労働者らは、火焙りにされ、生埋めにされたという。
20世紀の南米における、最も血みどろな革命、と形容される所以だ。
しかし住宅などの整備が進んだとはいえ、今でも労働者は1日8時間以上、休むことなく働き続ける。
コカの葉をほお張りながら、薄暗く、ホコリの舞う中での労働。
金曜の夜には、純度97パーセントのアルコールと、市価の10分の1以下のフィルターなしタバコで疲れを癒す。
そんな彼らは、街におりてくることはほとんどないという。
植民地時代から続く、ポトシの光と陰。その構造は、いまでも変わっていなかった。