聖なる湖。

ラ=パス出発時には、この旅で初めての雨が降った。そして、それは盆地を登りきったところで雹に変わった。
小さな食堂で休憩しつつ、止むのを待ってからの出発。
結局しばらくして雹は治まり、アルティプラノは再び青空に包まれた。

そして、チチカカ湖畔の走行。
道中、細い海峡があるのだが、そこは船で渡る。
わずか500mばかり。以前橋を架ける計画が持ち上がり、アメリカが援助をしたのだが、それによって職を失うことになる渡船業者を始め地元住民が反対し、かなわなかった。

さて、ボリビア側のチチカカ湖畔一の観光地、コパカバーナにつくとさっそく、湖に浮かぶ島、太陽の島へと向かった。

インカ帝国の始祖が降り立ったと言われる全長4キロのこの島には、一切の車がない。急峻な地形は一度開墾しつくされたが、今は放棄された畑が多いように見えた。
階段ばかりの島では、ラクダが活躍する。だが、重い水を背負っての階段、しかも3800mの高地での荷役は、彼らにも重いと見え、鞭打たれる場面を幾度か見た。

階段を登りきったところからは、四方に湖が望める。
そして、夕日、朝日がとても美しかった。
ボリビアの最後の思い出が、とても澄んだものとなった。

コパカバーナボリビア(Copacabana, Bolivia)
総走行距離2280km